roppongi

File.001 外国人のヘアスタイルを真似することについて

Fri 03 Feb 2006

*基本的に髪質が違うので似合わない

外国人、中でも欧米のヘアファッションを国内の女性誌や婦人誌が競うように紹介するので、それを真似したい女性もいるんでしょうね。

「結構いますね。確かに最近の日本の女性たちもスタイルが抜群によくなり、プロポーションが素晴らしく発達してますね。わたしの店(東京・六本木と赤坂)の窓から見える街を歩く姿はカッコいいですね。飽きませんよ(笑)」

あまり見とれていると手先が留守になりませんか?

「それはないです。プロですから(苦笑)。それにヘアスタイルもかなり個性的になってバリエーションが出てきた事はうれしいですね」

そうであってもやはり欧米の女性の髪型は真似できませんか。

「その『真似をする』という発想にわたしは賛成できませんね。ヘアスタイルそのものを似たようにカットする事は可能ですよ。でもそれはあくまで『物真似』の域をでませんよね。日本人の特性にそぐわなくなるからです」

日本人の髪の特性とは、どういうことですか?

「髪の特性の事ですが、例えば最近の若い女性の毛先はバリバリになりやすく、枝毛も多くて油っぽいんです。これは欧米人に近い症状かもしれない。理由は ライフスタイルの欧米化が影響しているからだと思います」

食生活も深く関係があるようにいわれていますね。

「そういう事です。日本人の毛髪の量はだいたい10万本くらいですが、欧米人はそれより多くて10~12、13万本と言われています」

日本人の方が髪が多いというのは黒髪のせいじゃないでしょうか…。

「人間の目にする印象としては絶対あるでしょうね、それは絶対に」

でも最近のカラーリングの普及で極端にいってしまうと、黒髪よりも 少し毛染めしている女性の方が多いくらいですよね。鮮やかなワインレッ ドやダークグリーン、パープルにブルー、ピンク、シルバー、ゴールドと まるで極彩色の世界ですよね(苦笑)。もっとも髪を染めているのは女性 に限りませんけど…。

「でも決定的に違うんですよ、日本人と欧米人ではね。気候風土と深く関わり 合っているからでしょう。いくら表面的なライフスタイルを真似ても国土が違 うと、それはどこまでいっても物真似でしかないわけです」

似て非なるものですかね。

「確かにプロポーションの発達は欧米に近づいているかもしれませんが、皮膚の色とか目の色、そして髪の質までは近づき得ないでしょう。その事をキチンと理解しないで外国人のモデルが乗っている雑誌や写真を持ってきて、これと同じようなヘアスタイルにしてほしいと言われても、スタイル見本としてはOKですが、全く同じにということは止めてほしい、とわたしはいつもお客さまにはいっているんです」

その根拠は髪質が違うという理由からですか?

「もちろんその要因も大きいですが、それだけではありません。やはり顔型と同時に顔質が違う、という事なんです。一般的に欧米人の女性の髪質は細くて、髪の量が少ない傾向です。それもあって髪にウェーブがかかりナチュラルな印象を与えるんだと思います」

女性が街を歩くときに、髪が風をはらんで踊るように見えるのは躍動感があって気持ちがいいものです。

「ただ欧米人は薬液に元来強いんです。それに比較すると日本人の皮膚は薬液に弱いと思います。こういう話があるんですよ。日本の女性が外国(主に欧米)に出かけたときに美容室(サロン)でパーマやヘアダイをすると失敗することが多いということです。そのときに使用する過酸化水素水は日本では3〜6パーセント(最大でも9パーセント)ですが、欧米では10パーセント以上なんですよ。それだけ薬液の効果は強い訳ですが、その薬効(レギュレーション)に日本人の体質は耐えられないわけです…」

なるほど、そういう現実認識をする必要がありますね。

「それでわたしが思うに欧米人の髪型には、ある種の個人の主張があるように見えるんです。パリの街角で出会う女性たちの髪型はバリエーションがあって多様化しています。どちらかと言えば、キチンとセットしているというよりもナチュラルヘアが多いのに、隠れた部分で心配りをしている。例えばサイドを後ろに流してキュートに見せたり、バックの低い位置で髪を二つに束ねてシンプルにしたまとめ髪は、個性を大事にしたいという主張を感じますね。日本人が真似するならそうい精神的な姿勢(ポリシー)と実用性を取り入れてほしい気がします」

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