roppongi

File.002 意外に自分の毛質を知らない?

Fri 03 Feb 2006

*専門家に毛質診断をしてもらい、正確な毛質を把握する

案外にヘアスタイルにこだわる割には自身の毛質を理解していない人が多くいるという事ですが、本当ですか?

「それは結構、事実ですよ。わたしの所でも初めて見えたお客さまに対しては、正確な毛質診断をして差し上げるんです。それでいつも驚くんですが、意外に自分の毛質の特徴を誤解している人がいます。例えば、ご本人は毛質が『太い』と信じていたのに、わたしが診断すると『普通』だったりするんですよ。平均的に日本人の髪の毛一本の周囲は0.6ミリくらいで、欧米人は0.3ミリくらいといわれています。その上欧米人のほうがずっと毛髪が柔らかなのです。黒髪の印象で自分の毛質は太いのではないかしら、というふうに思違いする方がいるんでしょうね」

毛髪量の違いもヘアスタイルに影響しますか?

「それは当然にあります。一般的に欧米人の女性の髪型が微妙な流れのなかで自然な波を感じさせるのに対して、日本人の髪型がモジャモジャしたように見えるのは、毛髪の質と量の差でもあるんですね」

その他どんな点が気になりますか?

「直毛とクセ毛,縮れ毛についても誤解していますね。ほとんど直毛という人は少ないんです。遺伝的にもクセ毛は優性遺伝で直毛は劣性遺伝なんですよ」

ということは将来は直毛の人はほとんどいなくなる、ということですね。

「ええ、髪は毛根から生えますが、頭部には髪になる毛母細胞があり、毛根の先は毛細血管で、毛細血管に血液が流れてくるわけです。その毛根と頭皮のあいだの形で直毛、クセ毛、縮れ毛というふうに分かれて生えてきます。この髪の特質でヘアスタイルが決まる、と言っても過言ではないでしょうね」

日本人の髪の特徴とはどんなものですか?

「濡らすと多くの人が直毛になりますが、乾燥してくるとその人特有の癖が顕著になるという傾向があります。そういうことまで自分の髪質の特徴を知らないと、いくら髪型に凝っても効果半減というわけです」

それは美容師にとっても本人にとっても悲惨な結果になりますね。

「本人が毛髪の特徴を知らなかったり誤解していると、お互いの立場を超えて行き違いが出るんです。お客さまはロングにしたいと主張しても、髪質からするとややショート、ぎりぎりのところでセミロングのほうが顔質にあっていると思える事があるからです」

髪の特質といいますか、特性について簡単に説明してください。


「大枠で分類すれば、『髪が太い』、『細い』、『堅い』、『柔らかい』、『量が多い少ない』、それに全体的に『普通』という具合です。大まかに分ければ、このどこかに自分の髪質が該当するはずです。この髪質の違いはキューティクルの密度の差異にあります。最近はTVコマーシャルなどでこの『キューティクル』という単語を耳にする機会は多いと思いますが…」

その通りですが、キューティクルとは何の事ですか?

「一本一本の髪の表面部を覆って、外部からの強い刺激を防御している組織のことです。毛表皮と訳します。キューティクルの密度とは、簡単に言えば、この組織がどのくらい髪の表面に奇麗に並んでいるかということなんですね」

キューティクルが髪を保護してくれいるわけですか。

「ええ、日本人のキューティクルは案外に丈夫だといわれています」

そうなんですか、それは安心しますね。

「反面、この組織は堅いので弾力性に乏しくて剥がれやすく、しかも物理的圧迫に弱くて脆いんです。それに薬液に弱いですね。キューティクルが剥がれると当然に髪は痛みます。強引なブラッシングをするとキューティクルは簡単に剥がれます。またキューティクルが剥がれると、髪の水分が短時間で蒸発してしまうのでパサパサになりやすいんです」

となると、髪をリセットする場合も厄介になりますね。

「キューティクルは一度崩壊すると再生しないので気をつけてください。同じ黒髪でもラテン系、中東系、インド系、東洋系、黒人系と全部違うんです。そのなかにあって日本人の髪のキューティクルは丈夫なほうだと言われていますが、最近の流行のヘアダイやパーマによってかなり痛んでる、というのが実情です」

「鳥の濡れ羽色」という表現は古いですかね(苦笑)。

「以前はそのツヤのある黒髪が日本美人の象徴でしたね(笑)。髪を染める流行がある限り、実は髪の毛は痛み続けている、ということです」

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